貸渡約款

貸渡約款

第1章 総則

第1条(約款の適用

1.貸渡人は、この約款の定めるところにより、貸渡自動車(以下「レンタカー」という。)を借受人に貸し渡すものとし、借受人はこれを借り受けるものとします。なお、この約款に定めのない事項については、細則、法令又は一般の慣習によるものとします。

2.貸渡人は、この約款及び細則の趣旨、法令、行政通達並びに一般の慣習に反しない範囲で特約に応ずることがあります。特約した場合には、その特約が約款に優先するものとします。

3.借受人は、貸渡契約の締結にあたり、借受人と異なる運転者を指定する場合、約款及び細則中の運転者の義務と定められた事項をその運転者に周知し、遵守させるものとします。

第2章 予約

第2条(予約の申込み)

1.借受人は、レンタカーを借受けるにあたって、約款及び別に定める料金表等に同意のうえ、別に定める方法により、あらかじめ車種クラス、使用目的、借受開始日時、借受場所、借受期間、返還場所、運転者、チャイルドシート等の付属品の要否、その他の借受条件(以下「借受条件」という。)を明示して予約の申込みを行うことができます。

2.貸渡人は、借受人から予約の申込みがあったときは、原則として、貸渡人の保有するレンタカーや貸渡人の認める借受条件の範囲内で予約に応ずるものとします。この場合、借受人は、貸渡人が特に認める場合を除き、別に定める予約申込金を支払うものとします。

第3条(予約の変更)

1.借受人は、前条第1項の借受条件を変更しようとするときは、あらかじめ貸渡人の承諾を受けなければならないものとします。

第4条(予約の取り消し等)

1.借受人及び貸渡人は、別に定める方法により、予約を取り消すことができます。

2.借受人が、借受人の都合により、予約した借入開始時刻を1時間以上経過してもレンタカー貸渡契約(以下「貸渡契約」という。)が締結されなかったときは、事情の如何を問わず、予約が取り消されたものとします。

3.前2項の場合、借受人は、別に定めるところにより予約取消手数料を貸渡人に支払うものとし、貸渡人はこの予約取消手数料の支払いがあったときは、受領済の予約申込金を借受人に返還するものとします。

4.貸渡人の都合により、予約が取り消されたとき、又は貸渡契約が締結されなかったときは、貸渡人は受領済の予約申込金を借受人に返還するほか、別に定めるところにより違約金を支払うものとします。

5.事故、盗難、不返還、リコール、天災その他の借受人若しくは貸渡人のいずれの責にもよらない事由により貸渡契約が締結されなかったときは、予約は取り消されたものとします。この場合、貸渡人は受領済の予約申込金を借受人に返還するものとします。

第5条(代替レンタカー)

1.貸渡人は、借受人から予約のあった車種クラス、付属品、禁煙車・喫煙車の別、トランスミッションの仕様等の条件(以下「条件という」)に該当するレンタカーの貸渡しができないときは、直ちにその旨を借受人に通知するものとし、予約のあった条件以外のレンタカーを貸渡すことが可能なときは、借受人に予約と異なる条件のレンタカー(以下「代替レンタカー」という。)の貸渡しを申し入れることができるものとします。

2.借受人が前項の申し入れを承諾したときは、貸渡人は予約時の借受条件のうち、満たさなかった条件以外は予約時と同一の借受条件で代替レンタカーを貸渡すものとします。この場合、借受人は代替レンタカーの貸渡料金と予約のあった条件のレンタカーの貸渡料金のうち、いずれか低い方の料金を支払うものとします。

3.借受人は、第1項の代替レンタカーの申し入れを拒絶し、予約を取り消すことができるものとします。

4.前項の場合において、第1項の貸渡しをすることができない原因が、貸渡人の責に帰すべき事由によるときには第4条第4項の予約の取り消しとして取り扱い、貸渡人は受領済の予約申込金を返還するほか、別に定めるところにより違約金を支払うものとします。

5.第3項の場合において、第1項の貸渡しをすることができない原因が、貸渡人の責に帰さない事由によるときには第4条第5項の予約の取り消しとして取り扱い、貸渡人は受領済の予約申込金を返還するものとします。

第6条(免責)

1.貸渡人及び借受人は、予約が取り消され、又は貸渡契約が締結されなかったことについては、第4条及び第5条に定める場合を除き、相互に何らの請求をしないものとします。

第7条(予約業務の代行)

1.借受人は、貸渡人に代わって予約業務を取り扱う旅行代理店、提携会社等(以下「代行業者」という。)において予約の申し込みをすることができるものとします。

2.代行業者に対して前項の申込みを行った借受人は、その代行業者に対してのみ予約の変更又は取り消しを申し込むことができるものとします。

第3章 貸渡し

第8条(貸渡契約の締結)

1.借受人は第2条第1項に定める借受条件を、貸渡人はこの約款、料金表等により貸渡条件を、それぞれ明示して、貸渡契約を締結するものとします。ただし、貸渡すことができるレンタカーがない場合又は借受人若しくは運転者が第9条第1項若しくは第2項各号のいずれかに該当する場合を除きます。

2.貸渡契約が締結された場合、借受人は貸渡人に第11条第1項に定める貸渡料金を支払うものとします。

3.貸渡人は、監督官庁の基本通達(注1)に基づき、貸渡簿(貸渡原票)及び第14条第1項に規定する貸渡証に運転者の氏名、住所、運転免許の種類及び運転免許証(注2)の番号を記載し、又は運転者の運転免許証の写しを添付するため、貸渡契約の締結にあたり、借受人に対し、借受人の指定する運転者(以下「運転者」という。)の運転免許証の開示を求めるほか、その写しの提出を求めることがあります。この場合、借受人は、自己が運転者であるときは自己の運転免許証を提示し、又はその写しを提出するものとし、借受人と運転者が異なるときは運転者の運転免許証を提示し、又はその写しを提出するものとします。(注1)監督官庁の基本通達とは、国土交通省自動車交通局長通達「レンタカーに関する基本通達」(自旅第138号 平成7年6月13日)の2(10)及び(11)のことをいいます。(注2)運転免許証とは、道路交通法第92条に規定する運転免許証のうち、道路交通法施行規則第19条別記様式第14の書式の運転免許証をいいます。また、道路交通法第107条の2に規定する国際運転免許証又は外国運転免許証は、運転免許に準じます。

4.貸渡人は、貸渡契約の締結にあたり、借受人及び運転者に対し、運転免許証のほかに本人確認ができる書類の提出を求め、提出された書類の写しをとることがあります。

5.貸渡人は、貸渡契約の締結にあたり、借受人及び運転者に携帯電話番号等の緊急連絡先の提示を求めるものとします。

6.貸渡人は、貸渡契約の締結にあたり、借受人に対し、クレジットカード若しくは現金等による支払いを求め、又はその他の支払い方法を指定することがあります。

第9条(貸渡契約の締結の拒絶)

1.貸渡人は、借受人又は運転者が次の各号のいずれかに該当するときは、貸渡契約を締結することができないものとします。

  • レンタカーの運転に必要な運転免許証を有していないとき。
  • 酒気を帯びていると認められるとき。
  • 麻薬、覚せい剤、シンナー等による中毒症状等を呈していると認められるとき。
  • チャイルドシートがないのにもかかわらず、6才未満の幼児を同乗させるとき。
  • 指定暴力団、指定暴力団関係団体の構成員又は関係者、その他反社会的組織に属していると認められるとき。

2.借受人又は運転者が次の各号のいずれかに該当するときは、貸渡人は貸渡契約の締結を拒絶することができるものとします。

  • 予約に際して定めた運転者と貸渡契約締結時の運転者が異なるとき。
  • 過去の貸渡しにおいて、貸渡料金の支払いを滞納した事実があるとき。
  • 過去の貸渡しにおいて、第17条各号に掲げる行為があったとき。
  • 過去の貸渡し(他のレンタカー事業者による貸渡しを含みます。)において、第23条第1項に掲げる事実があったとき。
  • 過去の貸渡しにおいて、貸渡約款又は保険約款違反により自動車保険が適用されなかった事実があったとき。
  • 別に明示する条件を満たしていないとき。

3.前2項の場合において借受人との間に既に予約が成立していたときは、予約の取り消しがあったものとして取り扱い、借受人から予約解約手数料の支払いを受けていたときは、受領済みの予約申込金を借受人に返還するものとします。

第10条(貸渡契約の成立等)

1.貸渡契約は、借受人が貸渡契約書に署名をし、貸渡人に貸渡料金を支払い、貸渡人が借受人にレンタカー(付属品を含む。以下同じ)を引渡したときに成立するものとします。この場合、受領済の予約申込金は貸渡料金の一部に充当されるものとします。

2.前項の引渡しは、第2条第1項の借受開始日時及び借受場所で行うものとします。

第11条(貸渡料金)

1.貸渡料金とは、以下の合計金額をいうものとし、貸渡人はそれぞれの金額又はその照会先を料金表に明示します。

  • 基本料金
  • 免責補償料
  • 特別装備料
  • ワンウェイ料金
  • 燃料代
  • 配車引取料
  • その他の料金

2.基本料金は、レンタカーの貸渡し時において、地方運輸局運輸支局長に届け出て実施している料金によるものとします。

3.貸渡人が、貸渡料金を、第2条による予約を完了した後に改定したときは、借受人は予約完了時に適用した料金と貸渡し時の料金のうち、いずれか低い方の料金を支払うものとします。

第12条(借受条件の変更)

1.借受人は、貸渡契約の締結後、第8条第1項の借受条件を変更しようとするときは、貸渡人の承諾を受けなければならないものとします。

2.貸渡人は、前項による借受条件の変更によって貸渡業務に支障が生ずるときは、その変更を承諾しないことがあります。

第13条(点検整備及び確認)

1.貸渡人は、道路運送車両法第47条の2(日常点検整備)及び第48条(定期点検整備)に定める点検をし、必要な整備を実施したレンタカーを貸渡しするものとします。

2.借受人又は運転者は、前項の点検整備が実施されていること並びに別に定める点検表に基づく車体外観及び付属品の検査によってレンタカーに整備不良がないことその他レンタカーが借受条件を満たしていることを確認するものとします。

3.貸渡人は、前項の確認によってレンタカーに整備不良が発見された場合には、直ちに必要な整備等を実施するものとします。

第14条(貸渡証の交付、携帯等)

1.貸渡人は、レンタカーを引渡したときは、地方運輸局運輸支局長が定めた事項を記載した所定の貸渡証を借受人又は運転者に交付するものとします。

2.借受人又は運転者は、レンタカーの使用中、前項により交付を受けた貸渡証を携行しなければならないものとします。

3.借受人又は運転者は、貸渡証を紛失したときは、直ちにその旨を貸渡人に通知するものとします。

4.借受人又は運転者は、レンタカーの返還とともに、貸渡証を貸渡人に返還するものとします。

第4章 使用

第15条(借受人の管理責任)

1.借受人又は運転者は、レンタカーの引渡しを受けてから貸渡人に返還するまでの間(以下
「使用中」という。)、善良な管理者の注意義務をもってレンタカーを使用し、保管するもの
とします。

2.借受人又は運転者は、レンタカーを使用する際には、法令、約款、細則、取扱説明書、そ
の他貸渡人が提示する使用法を遵守しレンタカーを使用するものとします。

第16条(日常点検整備)

1.借受人又は運転者は、使用中に、借受けたレンタカーについて、毎日使用する前に道路運送車両法第47条の2(日常点検整備)に定める日常点検整備を実施しなければならないものとします。

第17条(禁止行為)

1.借受人又は運転者は、使用中に次の行為をしてはならないものとします。

  • 貸渡人の承諾及び道路運送法に基づく許可等を受けることなくレンタカーを自動車運送事業又はこれに類する目的に使用すること。
  • レンタカーを所定の使用目的以外に使用し又は第8条第3項の貸渡証に記載された運転者及び貸渡人の承諾を得た者以外の者に運転させること。
  • レンタカーを転貸し、第三者に使用させ又は他の担保の用に供する等貸渡人の権利を侵害することとなる一切の行為をすること。
  • レンタカーの自動車登録番号標又は車両番号標を偽造若しくは変造し、又はレンタカーを改造若しくは改装する等その原状を変更すること。
  • 貸渡人の承諾を受けることなく、レンタカーを各種テスト若しくは競技(貸渡人が競技に該当すると判断するものを含む)に使用し又は他車の牽引若しくは後押しに使用すること。
  • 法令又は公序良俗に違反してレンタカーを使用すること。
  • 貸渡人の承諾を受けることなくレンタカーについて損害保険に加入すること。
  • レンタカーを日本国外に持ち出すこと。
  • 貸渡人又は他の借受人に著しく迷惑を掛ける行為(レンタカーの車内への物品等の放置、禁煙車両での喫煙行為などレンタカーの汚損等を含むがこれに限らない)を行うこと。
  • その他第8条第1項の借受条件又は貸渡条件に違反する行為をすること。

第18条(違法駐車の場合の措置)

1.借受人又は運転者は、使用中にレンタカーに関し、道路交通法に定める違法駐車をしたときは、違法駐車後直ちに違法駐車をした地域を管轄する警察署(以下「管轄警察署」という。)に出頭し、自らの責任と負担で違法駐車に係る反則金等及び違法駐車に伴うレッカー移動、保管、引取り等の諸費用を納付する(以下「違反処理」という。)ものとします。

2.貸渡人は、警察からレンタカーの違法駐車の連絡を受けたときには、借受人又は運転者に連絡し、速やかにレンタカーを移動させ若しくは引き取るとともに、レンタカーの借受期間満了時又は貸渡人の指示する時までに管轄警察署に出頭して違反処理を行うよう指示するものとし、借受人又は運転者はこれに従うものとします。なお、貸渡人は、レンタカーが警察により移動された場合には、貸渡人の判断により、自らレンタカーを引き取る場合があります。

3.貸渡人は、前項の指示を行った後、貸渡人の判断により、違反処理の状況を交通反則告知書及び納付書・領収書等により確認するものとし、処理されてない場合には、処理されるまで借受人又は運転者に対して繰り返し前項の指示を行うものとします。また、貸渡人は借受人又は運転者に対し、違法駐車をした事実及び警察署等に出頭し、違反者として法律上の措置に従うこと等を自認する旨の貸渡人所定の文書(以下「自認書」という。)に自ら署名するよう求め、借受人又は運転者はこれに従うものとします。

4.貸渡人は、貸渡人が必要と認めた場合は、警察に対して自認書及び貸渡証等の個人情報を含む資料を提出する等により借受人又は運転者に対する放置駐車違反に係る責任追及のための必要な協力を行うほか、公安委員会に対して道路交通法第51条の4第6項に定める弁明書及び自認書並びに貸渡証等の資料を提出し、事実関係を報告する等の必要な法的措置をとることができるものとし、借受人又は運転者はこれに同意するものとします。

5.貸渡人が道路交通法第51条の4第1項の放置違反金納付命令を受け、放置違反金を納付した場合又は借受人若しくは運転者の探索に要した費用若しくは車両の移動、保管、引き取り等に要した費用を負担した場合には、貸渡人は借受人又は運転者に対し、次に掲げる金額を(以下「駐車違反関係費用」という。)を請求するものとします。この場合、借受人又は運転者は、貸渡人が指定する期日までに、駐車違反関係費用を貸渡人に支払うものとします。

  • 放置違反金相当額
  • 貸渡人が別に定める駐車違反違約金
  • 探索に要した費用及び車両の移動、保管、引き取り等に要した費用

6. 第1項の規定により借受人又は運転者が違法駐車に係る反則金等を納付すべき場合において、当該借受人又は運転者が、第2項に基づく違反処理すべき旨の貸渡人の指示又は第3項に基づく自認書に署名すべき旨の貸渡人の求めに応じないときは、貸渡人は第5項に定める放置違反金及び駐車違反違約金に充てるものとして、当該借受人又は運転者から、貸渡人が別に定める額の駐車違反金(次項において「駐車違反金」という。)を申し受けることができるものとします。

7.借受人又は運転者が、第5項に基づき貸渡人が請求した金額を貸渡人に支払った場合において、借受人又は運転者が、後刻当該駐車違反に係る反則金を納付し、又は公訴を提起されたこと等により、放置違反金納付命令が取消され、貸渡人が放置違反金の還付を受けたときは、貸渡人は既に支払いを受けた駐車違反関係費用のうち、放置違反金相当額のみを借受人又は運転者に返還するものとします。

第5章 返還

第19条(借受人の返還責任)

1.借受人又は運転者は、レンタカーを借受期間満了時までに所定の返還場所において貸渡人に返還するものとします。

2.借受人又は運転者が、前項の規定に違反したときは、貸渡人に与えた一切の損害を賠償するものとします。

3.借受人又は運転者は、天災その他の不可抗力により借受期間内にレンタカーを返還することができない場合には、貸渡人に生ずる損害について責を負わないものとします。この場合、直ちに貸渡人に連絡し、貸渡人の指示に従うものとします。

第20条(返還時の確認等

1.借受人又は運転者は、貸渡人立会いのもとに、レンタカーを通常の使用による劣化・摩耗を除き、引渡し時の状態で返還するものとします。

2.借受人又は運転者は、レンタカーの返還にあたって、レンタカー内に借受人若しくは運転者又は同乗者の遺留品がないことを確認して返還するものとし、貸渡人は、レンタカーの返還後においては、遺留品について保管の責を負わないものとします。

第21条(レンタカーの返還時期、借受期間変更時の貸渡料金)

1.借受人又は運転者は、第12条第1項により借受期間を延長したときは、変更後の借受期間に対応する貸渡料金、又は変更前の貸渡料金と超過料金を合計した料金のうち、いずれか低い方の料金を支払うものとします。

2.借受人又は運転者は、第12条第1項による貸渡人の承諾を受けることなく借受期間を超過した後に返還したときは、前項の料金に加え、超過した時間に応じた超過料金の倍額の違約料を支払うものとします。

第22条(レンタカーの返還場所等)

1.借受人又は運転者は、第12条第1項により所定の返還場所を変更したときは、返還場所の変更によって必要となる回送のための費用(以下「回送費用」という。)を負担するものとします。

2.借受人又は運転者は、第12条第1項による貸渡人の承諾を受けることなく所定の返還場所以外の場所にレンタカーを返還したときは、回送費用の倍額の違約料を支払うものとします。

第23条(レンタカーが返還されなかった場合の措置)

1.貸渡人は、借受人又は運転者が、借受期間が満了したにもかかわらず、所定の返還場所にレンタカーを返還せず、かつ、貸渡人の返還請求に応じないとき、又は借受人の所在が不明となる等の理由により不返還になったと認められるときは、刑事告訴を行う等の法的手続きをとるものとします。

2.貸渡人は、前項に該当することとなったときは、レンタカーの所在を確認するため、借受人又は運転者の家族、親族、勤務先等の関係者への聞取り調査や車両位置情報システムの作動等を含む必要な措置をとるものとします。

3.第1項に該当することとなった場合、借受人又は運転者は、第28条の定めにより貸渡人に与えた損害について賠償する責任を負うほか、レンタカーの回収及び借受人又は運転者の探索に要した費用を負担するものとします。

第6章 故障、事故、盗難時の措置

第24条(レンタカーの故障)

1.借受人又は運転者は、使用中にレンタカーの異常又は故障を発見したときは、直ちに運転を中止し、貸渡人に連絡するとともに、貸渡人の指示に従うものとします。

第25条(事故発生時の措置)

1.借受人又は運転者は、使用中にレンタカーに係る事故が発生したときは、直ちに運転を中止し、事故の大小にかかわらず法令上の措置をとるとともに、次に定める措置をとるものとします。

  • 直ちに事故の状況等を貸渡人に報告し、貸渡人の指示に従うこと。
  • 前号の指示に基づきレンタカーの修理を行う場合は、貸渡人が認めた場合を除き、貸渡人又は貸渡人の指定する工場で行うこと。
  • 事故に関し貸渡人及び貸渡人が契約している保険会社の調査に協力し、貸渡人及び保険会社が要求する書類等を遅滞なく提出すること。
  • 事故に関し相手方と示談その他の合意をするときは、あらかじめ貸渡人の承諾を受けること。

2.借受人又は運転者は、前項の他自らの責任において事故の処理・解決をするものとします。

3.貸渡人は、借受人又は運転者のため事故の処理について助言を行うとともに、その解決に協力するものとします。

4.貸渡人は、必要と認められる場合には、前項の記録を検証するなどの措置をとるものとします。

第26条(盗難発生時の措置)

1.借受人又は運転者は、使用中にレンタカーの盗難が発生したときその他被害を受けたときは、次に定める措置をとるものとします。

  • 直ちに最寄の警察に通報すること。
  • 直ちに被害状況等を貸渡人に報告し、貸渡人の指示に従うこと。
  • 盗難・被害に関し貸渡人及び貸渡人が契約している保険会社の調査に協力し、貸渡人及び保険会社が要求する書類等を遅滞なく提出すること。

第27条(使用不能による貸渡契約の終了)

1.借受期間中において故障、事故、盗難その他の事由(以下「故障等」という。)によりレンタカーが使用できなくなったときは、貸渡契約は終了するものとします。

2.借受人又は運転者は、前項の場合、レンタカーの引き取及び修理等に要する費用を負担するものとし、貸渡人は受領済みの貸渡料金を返還しないものとします。ただし、故障等が第3項又は第5項にに定める事由による場合はこの限りでないものとします。

3.故障等が貸渡し前に存した瑕疵による場合は、借受人は貸渡人から代替レンタカーの提供を受けることができるものとします。なお、代替レンタカーの提供条件については、第5条第2項を準用するものとします。

4.借受人が前項の代替レンタカーの提供を受けないときは、貸渡人は受領済みの貸渡料金を全額返還するものとします。なお、貸渡人が代替レンタカーを提供できないときも同様とします。

5.故障等が借受人、運転者及び貸渡人のいずれの責にも帰すべからず事由により生じた場合は、貸渡人は、受領済みの貸渡料金から、貸渡しから貸渡契約の終了までの期間に対応する貸渡料金を差し引いた残額を借受人に返還するものとします。

6.借受人又は運転者は、本条に定める措置を除き、レンタカーを使用できなかったことにより生ずる損害について貸渡人に対し、本条に定める以外のいかなる請求もできないものとします。ただし、故障等が貸渡人の故意又は重大な過失により生じた場合を除きます。

第7章 賠償及び補償

第28条(借受人による賠償及び営業補償)

1.借受人又は運転者は、借受人又は運転者が借り受けたレンタカーの使用中に第三者又は貸渡人に損害を与えたときは、その損害を賠償するものとします。ただし、借受人又は運転者が無過失又は貸渡人の責に帰すべき事由による場合を除きます。

2.前項の貸渡人の損害のうち、事故、盗難、借受人又は運転者の責に帰すべき事由による故障、レンタカーの汚損・臭気等により貸渡人がそのレンタカーを利用できないことによる損害については料金表等に定めるところによるものとし、借受人又は運転者は、これを支払うものとします。ただし、借受人及び運転者が無過失の場合を除きます。

第29条(保険及び補償)

1.借受人又は運転者が、第28条第1項に基づく賠償責任を負うときは、貸渡人がレンタカーについて締結した損害保険契約及び貸渡人の定める補償制度により、次の限度額の保険金が給付されます。

  • 対人補償
    1名につき無制限
  • 対物補償
    1事故につき無制限(免責金額200,000円)
  • 車両補償
    1事故につき時価(免責金額200,000円)
  • 人身傷害補償(搭乗者傷害)
    • 1名につき30,000,000円
    • 保険約款又は補償制度の免責事由に該当する場合には、第1項に定める保険金又は補償金は支払われません。
    • 保険金又は補償金が支払われない損害及び第1項の定めにより保険金額又は補償金を超える損害については、借受人又は運転者の負担とします。
    • 貸渡人が、借受人又は運転者の負担すべき損害金を支払ったときは、借受人又は運転者は、直ちに貸渡人の支払額を貸渡人に弁済するものとします。
    • 第1項に定める損害保険契約の保険料相当額及び貸渡人が定める補償制度の加入料相当額は貸渡料金に含みます。

第30条(貸渡契約の解除)

1.貸渡人は、借受人又は運転者が借受期間中に約款及び細則に違反したとき、又は第9条第1項の各号のいずれかに該当することとなったときは、何ら通知、催告を要せず貸渡契約を解除し、直ちにレンタカーの返還を請求できるものとします。この場合、貸渡人は受領済みの貸渡料金を契約解除による損害賠償に充当し借受人に返還しないものとします。

第31条(同意解約)

1.借受人は、借受期間中であっても、貸渡人の同意を得て次項に定める解約手数料を支払ったうえで貸渡契約を解約できるものとします。この場合、貸渡人は、受領済みの貸渡料金から、貸渡しからレンタカーの返還までの期間に対応する貸渡料金を差し引いた残額を借受人に返還するものとします。

2.借受人は、前項の解約をするときは、次の解約手数料を貸渡人に支払うものとします。解約手数料={(予定借受期間に対応する基本料金)-(貸渡しから返還までの期間に対応する基本料金)}×50%

第9章 個人情報

第32条(個人情報の利用目的)

1.貸渡人が借受人又は運転者の個人情報を取得し、利用する目的は次のとおりとします。

  • 道路運送法第80条第1項に基づくレンタカー事業の許可を受けた事業者として、貸渡契約締結時に貸渡証を作成する等、事業許可の条件として義務づけられている事項を実施するため。
  • 借受人又は運転者に対し、レンタカー、中古車その他の貸渡人が取り扱っている商品の紹介及びこれらに関するサービス等の提供並びに各種イベント、キャンペーン等の開催について、宣伝広告物の送付、eメールの送信等の方法により案内するため。
  • 貸渡契約の締結に際し、借受申込者又は運転者に関し、本人確認及び審査を行うため。
  • 貸渡人の取り扱う商品及びサービスの企画開発、又はお客様満足度向上策の検討を目的として、借受人又は運転者にアンケート調査を実施するため。
  • 個人情報を統計的に集計、分析し、個人を識別、特定できない形態に加工した統計データを作成するため。

2.第1項各号に定めていない目的で借受人又は運転者の個人情報を取得する場合には、あらかじめその利用目的を明示するものとします。

第33条(個人情報の利用の同意)

1.借受人又は運転者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、借受人又は運転者の氏名、生年月日、運転免許証番号等を含む個人情報が、レンタカー事業者によって貸渡契約締結時の際の審査のために利用されることに同意するものとします。

  • 貸渡人が道路交通法第51条の4第1項に基づいて放置違反金の納付を命ぜられた場合
  • 貸渡人に対して第18条第5項に規定する駐車違反関係費用の全額の支払いがない場合
  • 第23条第1項に規定する不返還があったと認められる場合

第10章 雑則

第34条(相殺)

1.貸渡人は、約款及び細則に基づき借受人又は運転者に対する金銭債務があるときは、借受人又は運転者が貸渡人に対する金銭債務といつでも相殺することができるものとします。

第35条(遅延損害金)

1.借受人又は運転者は、約款及び細則に基づく金銭債務の履行を怠ったときは、相手方に対し年率14.6%の割合による遅延損害金を支払うものとします。

第35条(遅延損害金)

借受人又は運転者は、約款及び細則に基づく金銭債務の履行を怠ったときは、相手方に対し年率14.6%の割合による遅延損害金を支払うものとします。

第36条(準拠法等)

1.準拠法は、日本法とします。

2.邦文約款と英文その他邦文以外の約款に齟齬があるときは、邦文約款を優先するものとします。

第37条(約款及び細則)

1.貸渡人は、予告なく約款及び細則を改訂し、又は約款の細則を別に定めることができるものとします。

2.貸渡人は、約款及び細則を改訂し又は別に細則を定めたときは、貸渡人の営業店舗に掲示するとともに、貸渡人の発行するパンフレット、料金表及びホームページ上にこれを記載するものとします。これを変更した場合も同様とします。

第38条(管轄裁判所)

この約款及び細則に基づく権利及び義務について紛争が生じたときは、訴額の如何にかかわらず貸渡人の本店所在地を管轄する裁判所をもって管轄裁判所とします。

附則 約款は令和2年1月29日から施行します。